一般社団法人日本皮膚悪性腫瘍学会

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理事長挨拶

 日本皮膚悪性腫瘍学会は、基礎研究から橋渡し研究、臨床研究、疫学研究と幅広く皮膚がんの学術研究を推進し、その成果を臨床現場の診療へと反映させることを目指す組織です。皮膚科医、形成外科医、病理医、基礎研究者など様々な背景の方から成っていますが、目指すのは皮膚がんを中心としたがんの診療の更なる充実です。
 今日、国民の2人に1人はがんに罹患し、3人に1人はがんで命を失うといった状況です。がんが皮膚に生じることも決して稀ではありません。皮膚は外界の刺激に晒される臓器です。紫外線などの刺激による遺伝子変異の蓄積が皮膚がんの重要な発症要因であることから、社会の高齢化の進行とともに皮膚がんの発症は急激に増えています。皮膚がんの発症、そして診療は、国民の皆様にとって身近なことになっています。
 皮膚がん診療を充実させることへの社会の期待は、益々高まっていると私たちは感じています。一方、皮膚がん診療の充実を進めるには多方面から進歩を促す努力が必要です。皮膚がんか否か正しい診断をするにはどうしたら良いか、必要かつ十分な手術を行うために更に工夫できないか、転移が出現した際に現在の治療薬の効果を更に高めることはできないか、またこれまでにない効果を有した新規の治療薬はないだろうか、といった問題に学会は取り組んでいます。幸い学会には、診断する力に特に長じた人、手術の名手、全身療法の経験の豊富な人、新しい治療薬や医療機器の開発に造詣の深い人、等々と多彩な人材が所属しています。何よりも学会員は皆、皮膚がんを制圧し、患者さんとともに喜びを味わいたいという気持ちを強く有しています。
 2019年末から感染が拡大した新型コロナウイルスはまだ終息の目処が立っていません。新型コロナウイルスへの対応は社会全体で対応していかねばならないことは申すまでもありません。一方で皮膚がんに限らずがんは、素早い対応が大切な疾患です。新型コロナウイルスの感染が落ち着くのを待っている訳に参りません。日本皮膚悪性腫瘍学会は、学会員一同が力を合わせることで、世界に誇れる皮膚がん診療を日本で提供できるよう努力して参ります。そして、皮膚がんで苦しむ患者さんを支えると共に、皮膚がんに打ち勝つことで患者さんとともに喜びを分かち合える組織でありたいと考えています。
 御支援の程、何卒よろしくお願いいたします。

一般社団法人 日本皮膚悪性腫瘍学会
理事長 奥山隆平

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